ある長続きW不倫カップルの現実(1)好きだと思うのは何年目まで?

不倫ものがたり

結婚を考えない不倫が始まったとき、または何をさておいても相手のことが好きで好きでたまらないとき、この関係が永遠に続けばいいと思います。失ってしまうかもしれないなんてことは考えたくもない。

W不倫の多くが短期決戦で終わってしまうといいますが、続くとなれば何年でも続いてしまうのもW不倫です。続きすぎてしまったとあるW不倫カップルのお話です。

※これは旧サイトからの転載加筆記事です

付き合いスタートの頃

当時の彼氏はカノジョ持ちの独身で3歳年下、私は2歳すぎの子持ち主婦でした。会うのは1ヶ月~1ヶ月半に1回。いきなり電話がきて「会える?」に応えるパターンでした。彼をTくんと呼びましょう。

当時の私の頭の中。

恋に溺れる女の典型的な脳内ですな。次のデートがいつになるのか、そもそも次があるのか不安で寂しくて…という状態。

会う時子どもはどーしてたかと言いますと、近くの保育園から園児数が足りないから入園して欲しいと要請があり、私は主婦してたにもかかわらず子どもを保育園に通わせておったのです。

待機児童の問題が叫ばれてる昨今、こんな話はどこの星の話だって感じですが本当です。むかしの田舎最強っ!

一方のTくんの方は私とは温度差がありまして、気が向かないとほぼ放置でした。なにしろ3回目の逢瀬のとき、私のフルネームを覚えてないくらいだったし。

こんな不誠実なオトコになんで惹かれたのかと自分でも思います。彼はそれまで出会った誰とも違う非常に多趣味な人でした。好奇心が人一倍旺盛な私は彼の話を聞いているのが楽しくて仕方がなかったのです。

会うのは月に1回あるかどうかくらいでした。

意外にもW不倫がスタートする

付き合い始めて半年経った頃、Tくんは唐突にカノジョさんと結婚しました
例によっていきなり電話がかかってきて

Tくん:オレな引っ越すことになった

私:あら 結婚したの?

Tくん:うん(なんのためらいもない「うん」w)

私:あらそーなんだ おめでとう 新婚旅行は?

Tくん:ハワイ

私:そっか まあ気をつけて お幸せに

これで終わったなと思いました。仕方がないこととはいえ、結婚する前に一言くらい言えよ。案外あっさりだったなあ。

ところが新婚旅行から帰って来て2週間後、例によって「会える?」と何事もなく再会。新婚旅行のお土産はないのかと尋ねたら、そんなもん買えるか!と言われました(笑)まあ残念。

新婚さんのTくんの車にはサンリオのキャラクターがついた可愛いお弁当箱がよく転がっていました。

2~3年経過

この頃は2週に1回くらい会ってましたかね。これくらいになると、会いたくて焦がれるってことはなくなりました。

付き合い始めの頃はいきなり捨てられるんじゃなかろうかと思うことも多々ありましたが、なんだか思い悩むことに疲れ果ててしまって次がなくてもいいやと腹をくくったのです。

不倫は若い頃みたいに失恋しました はい次!というわけにいきませんから、この関係を失ったらと思うと死にそうな気持ちになるかも知れません。でもね、死にませんよ。

腹をくくってしばらくすると、コンスタントに連絡を寄越してきていることに気がつきました。

この頃の彼はあれこれの趣味全開でとてもわくわくしていて、それを嫁さんに話したところで相手にしてもらえないので私に話したくて仕方がない様子でした。だから付き合い始めの頃より会う頻度が上っていたのだと思います。

そのため、次があるだろうか なんて不安が頭に浮かばなくなってましたし、会っても車の中で喋って終りということも少なくありませんでした。

会う回数が増えるとセーヨクは減る

私たちは車の中では絶対イタさなかったので、時々ホテルに行きました。

お風呂

始まったばかりの不倫カップルなら服を脱ぐのももどかしくお互いを貪る~的な逢瀬かもしれませんが、2年目2週に1回のデートともなるとこんなもん(笑)

この頃は彼が何を考えているかがだいたい分かりました。

Tくん:オレな、いまちょっと凝ってるモノがあるんだ。当ててみ。

私:んーと、君の凝り性は半年クールだから…今は時計だな。

Tくん:当たり。お前、やっぱすげぇな。

この頃になると裸でいてもいちいちヨクジョーしないので、私たちはお風呂に浸かったまま延々と他愛ない話をしていました。

しかし…

のぼせる

あるときふと、Tくんに聞いてみました。

私:君さ、もしお互い独身だったら私と一緒になりたいとか思ったかな

Tくん:そうだなぁ そうかも知れんなぁ

私は思わず答えました。

私:えっ?!私、君と一緒になりたいとか1回も思ったことない!

2年3年付き合ってると、人間性ってもんがしっかり見えてきます。

自分のことにだけとことん熱心でわがままだということがよく分かっていたので 時々会って話すのは楽しいけど毎日一緒に暮らすのは無理だと思ってました、マジで。

それでも私はTくんのことが好きでした。どこに出かけるわけでもありませんでしたが、一緒にいて本当に楽しかった。

私には不倫相手の嫁さんと自分とは単位の違う世界に存在してるものという極めて不倫向きな価値観があるので、嫁さんに対する嫉妬心がまったくなかったのが良かったのかもしれません。

4年 けっこう大胆になる

関係維持に差し障るようなトラブルなしに4年も過ぎると一緒にいることが世間的によろしくないことだという意識がなくなってきます。

堂々と腕組んで映画に行ったり絵画展に行ったり、Tくんの存在を知ってる友人も複数いました。田舎暮らしのくせに、いま考えてみれば恐ろしいことです(苦笑)ほぼ毎週会ってました。

あとから思い出したことですが、ちょうどこの頃、当時専業主婦だったTくんの嫁さんがTくんじゃない男性と車に乗ってるのを偶然見かけました。3年目の浮気という古い歌がありますが、結婚4年を過ぎて中だるみだったんでしょう。

見かけたことをTくんに言おうか迷いましたが、それ言ったところで何がどうなるもんでもないので黙ってました。

私たちは似た者同士だった

友人の一人が(独身で嫁持ちの年上彼氏とこじれ中)がりゃん子の彼氏に会ってみたいと言い出しました。自分が不倫してるもんだから、同じように不倫してる私の彼氏と自分の彼氏を比べてみたかったようです。

そこで3人で飲みに行くことにしました。

私:ねぇ さりげなーくいちゃついて見せたろか(笑)

Tくん:お前性格悪いな(笑)←しかしノリノリ

引き合わせてすぐに、友人がT君が好みのタイプであわよくば横取りしたろ♪と考えたのが顔みただけで分かりました。

友人はTくんに自分って可哀想な女なのアピールをしかけようと、いま付き合ってる人と上手く行かない話(聞いてる方には愚痴にしか聞こえない)をはじめました。やな女です。

しかし私たちはそれにうんうんと耳を傾けてあげました(笑)

いちゃいちゃ

底意地の悪いわたくし達はしれっといちゃつきながら話を聞くのが大変楽しかったのですが、帰る頃には友人はすっかり無口になり不機嫌そうでした。

ちなみに、ふだんの私たちはこーゆういちゃいちゃはほとんどしません。はじめから好いた惚れたを口にすることもありませんでしたし、いちいち口に出して確認しなくてもお互いが一緒にいて一番楽だと感じてました。

需要供給バランスが崩れ始める

私たちは時にはケンカもしましたが基本的に仲良しでした。ただ、困ったことも起きはじめました。会う回数が増えた分、ホテルに行きたがることも増えたのです。

私はホテルにいくより他愛ない話をしている方が好きでした。ですから、いつも今日はそういう気分じゃないと言うのですが、彼はお構いなしでした。

というわけで、あまり気乗りはしないけど仕方がないかというデートがだんだん多くなりました。

5年超で異変

奇跡的に身内ばれせずにいた私たちですが、不倫カップルとしては5年目くらいまでがピークだったのかもしれません。

早期終了せずにけっこう仲良くやれていた理由は、必要以上にお互いの生活領域に首を突っ込まなかったからだと思います。

付き合い始めて5年が経っても、私たちはお互いの自宅の具体的な場所を知りませんでしたし、なんと携帯のアドレスも知りませんでした。

どちらかが教えてと言えばアドレスの交換くらいしたと思いますが会わない間にてれてれやりとりをする気がお互いになかったので知る必要がなかったのです。

ただ、5年も経つと私は彼のことがさらによく分かってきて、彼は私に甘えるばかりで私について何も知らんのじゃないかって気がしてきました。

私:私って結局セフレなのかねぇ

Tくん:いや、それは違う オレ、お前のこと好きだし

どうやら付き合ってるオンナをセフレ扱いしてるように思われるのは心外だったようです。

この頃は彼の存在とはまったく関係なく私の夫婦関係はもはや修復不可能になっていました。

ワンマンな暴君だった夫は極端に無口で常に不機嫌でした。気に入らないことがあるとモノを壊し怒鳴り散らすのですが(声を聞くのは怒鳴るときだけ)、一体何をどうすれば夫の尺度に合うのかさっぱり分からず、家の中はいつも張り詰めた空気が流れていました。

たまにこの状況についてこぼすと、彼は「オレに甘えればいいじゃん」とか言ってました。ほう、言うことは言うなぁと思いましたが具体的に何をどう甘えさせてもらった記憶はありません。

恋心は永遠には続かない

一見信頼関係で結ばれた理想的(?)不倫カップルのようですが、私は彼にオンナができたらしいことに気がついていました。

今まで一緒にいるときに仕事の電話がかかってきても私の傍で電話を受けていたのに、この頃から急にそそくさと聞こえないところに移動してこそこそ話すようになってましたから。

それ見ててもぜんぜん腹も立たないし不安にもなりませんでした。むしろ気乗りしないホテルに行かずに済むとほっとしました。

冷めたといえばそうだったかも知れません。実は私にも別にカレシが出来てました(笑)。

私はずるいので、Tくんとの関係をなんとなく続けながらこっそり新しいカレシとも付き合ってました。なんか、今さら別れ話をするような間柄って気がしなかったし、オンナがいることで私たちの関係が終わるとも思いませんでした。

その自信はどっから来るんだと言われるでしょうし、正直なところ私にも分かりません。ただ、Tくんを理解していることについては絶対の自信がありましたから、私の代役ができる女性がほかにいるとは露ほども思いませんでした。

お互いが恋愛感情を注ぐ相手を別に持ったことで、私たちが会う回数はだんだん減っていきました。Tくんは普段は顔に出しませんがものすごいやきもち焼きなので、もし私にもオトコが出来たとこの時知ったらどうしたでしょうね。

6年目以降につづく

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