この関係がずっと続けばいいと願うのは関係が始まったばかりの頃。なんだかずっと続いてしまったらどうなるのか、一つのケースのお話の続きです。
5年を過ぎてお互いに別の相手が出来てしまい、かつてのように会うこともなくなってしまった私たち。かと言って改めて「別れましょう」ということにもなりませんでした。
※これは旧サイトからの転載加筆記事です
別れなくちゃいけないとは思わなかった
付き合ってる人のほかに好きな人が出来てしまえば「好きな人ができました ごめんなさい」ってことになるのが普通だと思います。
私はTくんに他にカノジョらしきものが出来たことに気がついていましたがTくんは私にオトコができたことにまったく気づいていませんでした。
ところが私たちはどちらも別れ話を出しませんでした。
付き合い始めて4~5年経った頃だったと思いますが、なんかの話のはずみで彼が「だってオレら夫婦みたいなもんじゃん」と言ったことがあります。何言ってんだかと笑いましたが、考えてみると確かに恋人って感じでもないなぁというのが正直なところでした。
はじめから時をむさぼるような付き合い方をしてこなかった私たちは、かなり早い時期からそこになんとなくいて当たり前で本格的に自分から離れていくわけがないとお互いが思っていたみたいです。今から思えば。
なので、別れなきゃとも思わないしキープしておこうという考えもありませんでした。
6年目にして初めて別れてもいいやと思う
不倫彼2号は非常に情熱的に求めてきて片時も離れたくない!という、平穏な日々に退屈している人だったら夢見心地で夢中になっちゃうタイプでした。
不倫彼2号も3歳年下で嫁さんが妊娠中とのことで、付き合ってる間に女の子が生まれたようでした。
不倫彼2号をNくんとしておきましょう。
【男前数値がやや操作されているNくんの図(笑)】
Nくんと知り合ったのはTくんと付き合い始めてから5年半くらい過ぎていた頃だったと思います。知り合った頃Nくんの嫁さんはつわりを理由に実家に帰っていることが多かったし、Nくんも家を空けることが多い仕事だったのでほとんど野放し状態でした。
この頃私は恋愛感情を注ぐ相手としてはTくんはそろそろ賞味期限が過ぎたなと感じてましたから、Nくんに好きだ愛してる離したくないと言われて悪い気はしませんでした。
一方、Tくんはカノジョがいる間はほとんど連絡を寄越して来なくなりました(なんと分かりやすい男だろうか)。
Nくんと盛り上がった私はTくんと別れそこなう
しかし、どうやらさほど長続きせずに終了してしまったらしく Tくんはまた私に「会える?」と頻繁に連絡してくるようになりました。
Tくんの相手がどんな人だったのか、今もってまるっきり興味がないので聞いてみてません。
しかし、私はNくんとそこそこ盛り上がってましたから、「会える?」と言われても会う気にはなれませんでした。最初は連絡3回に1回は顔を合わせてましたが、会うたびホテルに行きたがるのが苦痛でした。
私はこれでも惚れた男とじゃないとそーゆーことをしたくない人なんです。
というわけで、私は電話が鳴っても取らないことが多くなりました。
Tくんはさすがにおかしいと思ったようです。しかしそれで退却するようなあっさりした性格ではなく、しつこく電話をしてきていました。ある時久しぶりに電話を取ると、少々怒った声で言いました。
Tくん:お前、なんで電話取らん?オレらこれで終わってしまってもいいのか?
私は答えました。
私:君がそうしたいなら仕方がないね
Tくんは「オトコが出来たのか?」とは聞きませんでした。
以前から自分のことばっかりで私の気持ちに鈍感なヤツだとは思ってましたが、さすがに気がついてないわけではなかったと思います。聞かなかったのは彼のプライドでしょう。なので、私もNくんのことは何も言いませんでした。
我ながらずるい言い方で別れを匂わせたのですが、Tくんの返事は予想の斜め上でした。
Tくん:オレは別れたいわけじゃないし。時々電話するから、会えるときは会お?な?
…終わらせる覚悟で引導渡したつもりが返されてしまった(苦笑)なぜ彼が別れたくなかったのかは謎です。
夢から醒めて現実を見る
しばらくほっといて欲しいという私の言葉を受けて彼はあまり連絡してこなくなりました。
電話取りたくねー!と思わずに済むようになりましたが、結論から言うとNくんとはうまくいかなくなり、彼にしばらくほっといてと宣言してから3~4ヶ月で終わりました。
Nくんは最初から一貫して情熱的でした。熱烈に求められてめくるめく思いをしたい人には理想的な不倫相手だったかも知れません。
しかし、大変残念なことにNくんは恋する自分に酔って後先を考えないノープラン男でした。
私は昔からどんなに熱中してもどっか冷静に状況を見てるところがあります。父親になったばかりだというのにNくんが「二人で逃げよう」と言い出したとき、頭の中に違和感が生まれました。
Nくんとなかなか別れなかったわけ
でもそれで一気に醒めてしまわなかったのは、下世話な話ですがひとえに体の相性が良過ぎたからでした。
こういうお供を使えば誰でもばっちり!とは言いません。
言いませんがもともと持ってる嗜好の方向がうまいこと一致すると、ここで出会ったのは前世から約束されてたことじゃないか?!くらいの幸せな勘違いをさせてくれます。
男女の結びつきにおいて体の相性は大切だと思います。しかし、不倫で体の相性がいいってのはある意味では考えものです。
体の相性の良さは本能の部分をぐりぐり刺激してきますから失う恐怖が生まれやすい。シングル同士なら結婚って形でお互いを法的に所有できるけど、不倫はそうはいかない。
時間と脳みそをきっちり切り分けて管理できる人ならいいけど、そうじゃないといろんな都合の悪いことにフタして「なんとかなる」とか考えてしまう。
体の相性を陵駕した2つのこと
私とNくんが決定的にダメになった理由は2つあります。
まず、Nくんの後先を考えないっぷりがどんどんエスカレートして私が結婚してるってことに配慮がなくなったことがまず大きかったです。
「オレのことが本当に好きならこれくらいの無理はできるだろ?」と言われて あー、こいつはこれ以上深入りしたらダメなヤツだぁ!と痛感してしまった。「なんとかなる」とは思わなかった(苦笑)
もう一つは、Nくんがあきれるほど無趣味で何にも興味がなかったことです。私はもともとアカデミックで物知りな男性が好みなのですが、そういう話が一切できない。話を振ってもろくな答えが返ってこない。
Nくんの、知的分野が空っぽという致命的な欠点は体の相性だけでは相殺できなかったということです。私は服着てるときに退屈な男とは長くいられんのだと思い知りました。
Nくんは性的に私にかなり執着してましたから別れ話を切り出してもなかなかうんと言ってくれませんでした。ぐずる姿を見ていて余計に冷めた(笑)
やっとNくんと別れたとき肩の荷が下りたような気持ちになりましたが、Tくんにこちらから連絡しようという気分にはなりませんでした。
Tくんと再会する
Nくんと別れて1ヶ月くらいした頃だったでしょうか、生存確認のようにTくんが電話をしてきました。
Tくん:おう。生きてたか
私:なんとか生きてるよ
何ヶ月ぶりかでお茶だけしました。
彼はなーんにも変わらず、なーんも問うこともなく、新しい車を買おうかどうしようか迷ってる話をしてました。それをふんふんと聞きながら、こいつといると楽だなぁ…と思ったものでした。
7年以降に続く
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