ある長続きW不倫カップルの現実(5)ハッピーなまま関係を続けることはできなかったか

W不倫の別れ 不倫ものがたり

腐れ縁としか思えない関係を続けているうちに、いつの間にか彼の中では彼女から親友になっていたらしい私。それが格上げなのか格下げなのかはよう分かりません。

はっきり別れる前に親友待遇になったお陰で「好きな女が出来たけどオトコの影がある どう思う?」という、それはいい形できちんと別れた元カノにする話だろが!とどやしつけたくなる相談を持ちかけられ、私は大いに反省しました。

10年超前期 現実の前に愛は無力だ

呆れた相談に真面目に答えた後「これがむかし惚れたオトコかと思うと情ないわっ!」と捨て台詞を吐いてから半月後、例によって彼が電話してきました。

Tくん:いや~ お前の占い、当るわぁ

私:はい?

てっきり隣の県に住むというカノジョのところに行くとか言うのかと思ったら。

ほとほと困ったという声で彼が話したことは、嫁さんの身内がからんだ金銭トラブルでした。

Tくんは新車代を全額だしてやるという嫁さんのお身内の話をまるっと信じて、500万円をゆうに超えるあのばかでかい8人乗りの新車を現金一括で買う契約を結んでいたのです。

泣いてわびる嫁さんは申し訳ないから離婚すると言い出すけど、そーゆうわけにはいかんだろと彼は言います。

Tくんは結婚1年たつ前に自宅を購入していました。住宅ローンを抱える彼には500万円を超える新車代をぽんと支払う余裕があるわけもなく、ディーラーに今からローンが組めないかと聞いても納車後だから無理だと言われ、万事休す。

…ああ、この前占ったとき経済的な損失や離婚話の暗示があるから動き回るなって出てたっけなぁ…。

彼は切々と裏切られた騙されたと話します。

私:ねぇ、君ってカノジョのところに行くんじゃなかったの?

Tくん:それどころじゃねーよ!

…うーわ。単身赴任を目論んで大手に入社したり(逆に言えば離婚はする気がなかったということ)カノジョさんの子どもと一緒に遊びに行くためにでかい車を用意するほど入れ込んでたのに、たった半月で「それどころ」で片付けちまったよ こいつ。

彼はごくごく普通のサラリーマンです。人並み外れて常識がないわけでも薄情なわけでもありません。不倫男なんて、どんなに好きだ愛してると吐いたところで生活の問題が目の前に降って来ればこんなもんです。

その後、Tくんが隣県のカノジョさんのことを口にすることはありませんでした。一度だけ「カノジョはどうしたの?」と聞いてみたことがあります。返事は「さぁ」でした。

カノジョさんも気の毒っちゃ気の毒ですが、カノジョさんの二人の息子が可哀想だなと思いました。

居心地のいい女が罠にはまる

まだ恋人同士だった頃、彼は自分の家庭の話をほとんどしませんでした。彼なりの線引きだったんだと思います。

それが長く付き合っているとあれ買ったこれ欲しいの物欲話の他に内輪の情ない話もするようになる。彼にいわせれば「親友だから」ということらしい。言い換えれば身内感覚が強くなったってことでしょう。

しかし、私は全然こころ躍りませんでした。

親友って、対等な関係じゃね?私たちはどう見ても対等じゃない。彼は「お前なら分かるだろうけど」と自分の話を聞いて欲しがるけど、私の話はさっぱり聞いてない。一方的に喋ってるのを聞かされるだけ。

これは親友じゃなくて5歳児とおかあさんの関係だよ!

恋人はしばしばおかあさんに進化します。ああ、私は彼を甘やかしすぎたらしい。

3歳年下なんてのは甘やかす対象にすべきではありません。17歳年下と付き合ったときはさすがにあまりにコドモなのでついつい甘くなりましたが、それに比べたら3歳年下なんてのはタメと同じです。

10年超後期 終りは自分で作れ

10年超といっても10年と数ヶ月ではなく、10年+ウン年が過ぎています。

彼は相変わらず嬉々として電話してきます。ただ、時々どういう風の吹き回しか「ドライブに連れてってやる」とか「どこそこのご飯が美味しかったから今度行こう」なんてことを言うようになりました。

もっともそのどこそこに連れて行ってもらったことはありませんけど(苦笑)

私の方も相変わらずで、会ってまで物欲話を聞きたいと思わないのでたまに着信放置でした。

そのうち彼は、住宅ローンの完済の目処がついたので激安中古住宅を買ってリフォームするという無駄遣いも極まれりの道楽に手を出し、休みになるとその家から夜中に電話してくるようになりました。

これがキツイ(涙)酔っ払っているのでいよいよ話にまとまりがない上にいつまででも喋っている。だらだら話テロ。

ところで、私はスマホを持たずガラケーを使ってました。スマホにする必要を感じなかったので機種変せずに7年くらい使っていたと思います。

ある晩、例によって何言ってるのか半分も聞き取れないだらだらした自慢話を聞いていると充電が切れそうになりました。

私:あー充電切れるわ

Tくん:充電しろ充電

いったん切って充電器にセットしようとしたら、以前から断線しそうになっていたのを完全断線させてしまいました。あーらら。

ちょうどいい機会だからと翌日遅ればせながらのスマホデビュー。気分転換に番号も変えちゃえ!(私は発作的に番号を変えるクセがある)ついでに電話帳の誰だかわかんなくなった番号も断捨離だぁ!

しかし、スマホ操作に慣れないのでやってしまいました。

この時点でならガラケーから番号を拾ってくることができました。

でも、考えてしまった。

あれこれ約束しても守られたことはないし、こっちが困って助けを求めてもなんだかんだ言って助けてくれるわけでもない。一方的に話を耳にねじ込まれてこっちの話は聞いてない。

コイツとの関係、この先必要か?

というわけで、番号を拾うのはいったん保留。

友人に長いこと縁が切れないオトコの番号を戻すかどーするか迷ってるんだよねと話したところ、「そんだけ長いこと縁が切れないと情がわいて寂しいんじゃない?」と言われました。

…確かに10年+ウン年という時間を2ミリのケーブルの断線でぶった切るってのは情がないかも知れない。でも、情なんてもんに振り回されていいことがあった試しがない。

逡巡すること数日 ガラケーをぱかっと開けると

ガラケー

最終選択です。携帯ショップに走って充電器を買ってくるか、このまま放置するか。

ほぼ迷うことなく放置に決定。

番号を変えてからもうすぐ1ヶ月経ちます。彼がいつものように話を聞いてもらおうと電話して「おかけになった電話番号は現在使われておりません」という無機質な声を聞いたかどうかは分かりません。

聞いてたらきっと怒ってるだろうな。私はずっと前からむかついてたんだよ~思い知れ~(笑)バイバイ ずっとずっと昔好きだった君。

私はむかしから縁のある人とは必ずどこかでまた会います。縁がなければどんなに近くに住んでいてもばったり会うことがありません。

彼との10年+ウン年という長い時間に意味があるなら、どこかでまた会うでしょう。

【追記】

携帯の番号を変えて1年以上たちました。彼の番号が入ったガラケーは処分しました。

こっちからコンタクトをとろうとするなら彼の会社にお客さんを装って電話を入れるという究極手段があります。が、そんなことまでしてつながりを復活させたいとは露ほども思いません(苦笑)

彼には私の自宅を訪ねる以外に接点を復活させる手段がないのですが、母親もいる我が家に女房持ちの分際で足を運ぶほどの情熱があったら少し見直すわ。

というわけで、私と彼は切れたままです。

私は彼と改めてかかわりたいと思っていませんが別に嫌いになったわけではありません。どこかで偶然会ってお茶に誘われたら「いいよ」と答えると思います。

ただ、そのとき携帯の番号を聞かれてもきっと教えないと思います。

コメント

  1. Lian より:

    冷静なコメント面白く読んでいます! 更新楽しみにしています。